日本FPVドローン協会をつくりたい
2022年1月12日私がドローンを始めたきっかけは、屋根から落ちたこと。
瓦屋さんて、「雨漏れするんだけど屋根みてくれる?」と言われれば、足場もなしに梯子一本で屋根に上がって、目視したり、時には瓦めくったりして、要補修箇所をみつけるわけですが、その際に滑って落ちちゃって。
運良く怪我はちょっとですみましたけど、そんなん毎度やってたら命がいくつあっても足りませんよね。
実際、屋根からの滑落で毎年何人も死んでます。屋根工事業界なんてそんなもん。労働基準法で高所作業での足場設置が義務付けられて居ますが、「調査無料・見積もり無料」な能登瓦業界。おかしいですよねw
で、それなら屋根に登る前に遠隔操作で屋根が目視できれば、誰も死ななくて済むじゃんと始めたのがドローンなわけですよ。
ドローンから送られてくる一人称視点の映像を見ながら、痛んでいる箇所をみつけたり、屋根形状確認しながら工事の段取りを考えたり。
自分が空を飛んでみているのとほぼ同じ状況がシミュレートできているからつとまるお仕事です。
FPVこそがドローン操縦の前提である
空撮であれ、インフラ点検であれ、ドローンからの一人称視点(ファースト・パーソン・ビュー。First Person View。面倒臭いからFPVと言いますね)は必要。私がドローンを始めた2014年あたりではまだ日本でFPVが流行していなかったりして、リアルタイム映像伝送付きのドローンもラインナップが限られてまして。当時はどうしていたかというと、カメラだけついたおもちゃのドローンで「このあたりかなー」って勘を働かせて撮影して後から確認してました。機体の位置や状態は地上から目視。おもちゃだから高度や位置情報もミエル化出来てませんし、バッテリー残量なんて、機体についてるLEDの点滅で初めて低電圧状態であることを知るという。
墜落も何度もしましたし、それで壊しもしました。第三者被害はゼロ。だっておもちゃだもん、軽いもん。
目視飛行には限界がある
機体を目で見ながら飛ばすって、農薬散布ヘリに毛が生えたみたいなもんですよね。私はやらないのでわかりませんが、あれって、バッテリー残量とか、農薬残量とか、機体傾斜度合い、高度情報、位置情報もすべて目視ですよね。
「今機体との離距離どんなもん?」「リモート感度どうよ?」など、どれも数値化できて居ない。それがRCヘリ。「そんなもん」どまり。
そう考えると、とてもとても危険な運用方法だなと思えてきます。人間の肉眼による判断力なんて限界がありますもの。
なのでヒトは、数値と映像の両方で世界を認識しなければならない、のかなと。
例えば、ドローンでインフラ点検をしなければならない時、私みたいに上空から屋根を見下ろすって程度であれば、目視のみでもつとまる事は多いと思います。
ですが実際は、枝が屋根まで伸びて居てそれを交わして移動しなければならなかったり、電線を潜らなきゃならなかったり。
破損箇所を見つける作業ですから、ドローンから送られてくる映像は常にみていないと。あとで見返して発見することもありますが、その場で見つけられた方が効率が良いです。
空撮にしたって、機体とその周囲状況を確認できる範囲は限られて居ます。よく公開されている動画で数百メートル離れたところから景色を撮ってますが、その時って、機体がどれくらい傾いてるのかとか、鳥がそばで飛んでるのとか、わからないんじゃないかって。それが見えるくらい人間の視力が良いんだったら、屋根点検にドローン要らないw
下から、または離れた場所から屋根眺めていればいいw
時が経ち、スマホやタブレットなどのデバイスにアプリを導入することによって、位置情報もバッテリー残量もミエル化が実現しましたね。昨今の農薬散布ドローンにはそれらが備わってます。しかし、農薬散布ドローンには機体の傾斜角度や機体周辺の状況把握をするためのFPV機能が無いのが普通。なので、機体の状態や機体周辺の状況を掌握するには、目視によらなければならず、また、補助者が居なければならず、補助者とパイロットが音声(ウォーキートーキー?)によるコミュニケーションを常に行わなければならず(これ、電波干渉とか平気なのかなと)。
当局(どこだっけ?知らね。)は、遠距離運搬や、補助者なしでの目視外(もう目で追うことが不可能なところまでドローンを離したり、物陰に隠れてしまってドローンの状態がわからなくなる意味)での運用を想定して、資格制度を考えているそうですけど、それを実現するにはFPVは外せないんじゃあありませんかね?
飛行機とか操縦したことないですけど、実際に搭乗して操縦する際、必要な情報って?
- 映像(周囲)情報
- 燃料残量
- 高度情報
- 機体傾斜情報
- 荷重(重力)
でしょうか。
昨今の空撮機には、上記項目の大半がミエル化されていますね。
あったりなかったりなのは、機体傾斜情報と荷重でしょうか。
DJI機などは、撮影映像のプレビューが優先されるために、カメラはジンバルによって常に水平が保たれるため、映像から機体がどれほど傾いているかを知る術がありません。ただ、DJI機は加速度センサー+ジャイロセンサー(面倒臭いから6軸センサーで)によってその姿勢は常に保たれて居ますから、「傾斜角度を知る必要がない」と考えられます。同様に、重力も知る必要が無いと言えますでしょうか。強風などで姿勢が異常に乱れる際は、機体側から強風警報が発動されますね。
つまり、概ねのドローンって、
実際に搭乗して操縦している状況を、コンピューター()の補助を大活用して色々置き換えてシミュレートしている
ことになるんです、よね?
そして、操縦者に必要なスキルは、それらの情報を常に把握して理解し、対応する事なんじゃないでしょうか。
なのでもう一度言いましょう。
FPVこそがドローン操縦の前提である
操縦する際必要な情報を前に列記しましたが、それらがFPVドローンでも得られて居ますでしょうか。
映像(周囲)情報
まさにFPV画面でわかりますね。視野角は最近は150度とかでしょうか。広角レンズによって前面(進行方向)のみですけど割と広い範囲が見えて居ます。横をみたければ機体を横に振ればいい。
燃料残量
OSDで表示させることで操縦しながら常に確認できますね。
高度情報
気圧センサーがあるフライトコントローラーであれば、OSDで表示させる事ができます。DJI FPVでも常に表示されていますね。タイムラグあるし、正確とは言い切れないからあまり信用してませんけど。
なので、多くのパイロットは映像からその高さを判断しているのではないでしょうか。数値化できてませんけど、それでも地面に接触しないぎりぎりとかわかってきますもんね。
機体傾斜情報
これもOSDで表示させられたりしますよね。大抵の人は映像で判断していますが。
荷重(重力)
FCによってはサポートしているものもある、という事?私は自分の操縦と得られる映像、聞こえてくる音で「パンチがある」とか判断していますけど、自分が実際に乗ってないので、感じる事はできないですね。
とまあ、FPVであれば概ね実機に近い操縦が可能と言えるわけで、つまりはFPVでなければドローンはまともに扱えないという事にもなろうかと。
で、現状はといいますと、
機械の性能に頼り切った操縦ありきで、操縦者スキルは名目の体程度のもの
なのではないかと。
なんかドローン教習で、「GPSを切った状態で」とかしていますけれども、高度維持は機械任せですし、前後左右に動かすのなんて、そんなに難しい事なのかと思えるところもあったり。ですができて居ない人が多数いる(初めてだったら当然とも言えます)わけで、できて当たり前にしなければならなくて、「やらなくてもいい」では無いと思います。ただ、できたからドローンパイロットとして一人前とはならない。
ですが実際は、たった数日のドローン教習によって、一人前扱い(修了証交付と航空局承認クリアできる仕組み)なんですよね。客観的にみて、それってどれほど危ないことなのかと。
でも、「上手くなってからじゃないと飛ばせない」となると、既に上手い人以外飛ばせなくなってしまいます
どんなジャンルでも言える当たり前のことだと思いますが、下手な人だって飛ばしたいですし、飛ばし続けることで上手くなるのは、(技量規定クリアできて居なければ飛行を承認しない制度を用意している)某当局以外の皆さんは承知でしょう。
初心者でも下手くそでも飛ばせる環境、規定を用意しないと、パイロットは育たないし生まれもしないという事は常に忘れないで居たいですね。多分それが、今後制定されるであろう、パイロットのレベルによる資格制度なんだと思いますが。
で、熟知していないでコレ書いてる私ですが、レベル1は初心者・下手くそ、レベル2は目視範囲で機械に頼った飛行、レベル3は目視外と目視の入り混じるシチュエーション、レベル4は完全目視外というところでしょうか。
レベル4なんて、完全目視外で市街地上空でしたっけ?今の国内生産ドローンに、遅延のない映像伝送+完全障害物回避性能を備えたものは無いと思うのですが、そんなうちから制度だけ定めて施行しようとしているのも恐ろしい話です。
で、レベル4をFPVやってる目線で考えると、さほど大変でも無いような。伝送映像の品質さえ確保されていれば。あとは視野角外での障害物を検知しフォローしてくれたり、まあずっとFPVしていると心が折れるので、飛ばしながら休憩(ホバリング?)できるくらいの補助があれば別に難しい話じゃなくなりそうにおもえます。
それとも、「DJIしか飛ばした事がない」「FPVやってない」人からすれば、とても難易度の高いものになってしまうとか?
で、普段DJIドローンを飛ばしているであろうとある方の書き込みを見て違和感を覚えたんです。
「空撮しかしないからレベル4取得する必要はない」
と。
考えさせられました。ドローンをどう使うかによってパイロットの操縦技量って必要なものとそうじゃないものがあるんですよね。
例えば農薬ヘリって、目視だけだから機体が見えている範囲で機体を安定させながら移動できるスキルがあればばっちりで、最近ではジャイロセンサーで飛ぶからかなり楽になったそうですが、そこには別に電池残量わからなくても、高度や位置情報がわからなくても務まっているわけで。
敷地からはみ出たりしないよう、補助者もいますし。
でも空撮のお仕事って、リアルタイムで映像チェックしながら飛ばしますし、機体が見えて居ないところまで飛ばしますよね。さらに場所によってはGPS入らないですし。求められる操縦スキルって、画面みながら飛ばす事の方が重要に、私は思えるのです。
FPVパイロットがドローンの仕事をしているのをよく目にするようになった
ドローンスクールを出て、空撮の仕事に即引き抜かれた人を私は知りません。FPVドローンレースで優勝する人が空撮の仕事で忙しく飛び回っているのは知って居ます。
結局は、空撮の仕事って、FPVレースで優勝するくらいの腕前がないとつとまらないのではないかと考えて居ます。
最近では、車を追走したり、バイクを追走したりと、FPVドローンの空撮映像が目を惹きます。また、CineWhoopによる屋外から屋内へのシームレスな移動や人物を絡めた空撮映像も。もちろん従来の空撮機による映像も織り交ぜて居たりしていますし、全てが絶対FPVドローンによるものというわけでもないですが。
FPVパイロットって、FPV機はもちろん、DJI空撮機もそつなく飛ばせますからね。そりゃあクライアントとしては重宝するでしょう。
インフラ点検にも駆り出されているFPVパイロットも、いましたよね。
そういう様子を見ると、結局は
FPVパイロットじゃないとドローンの安全で確実な運用は務まらない
と考えてしまうわけですよ。
羽咋ドローンズは、「ドローンパイロットの地位向上」も活動の目標にしています。
(ボランティア団体ですが、「無料奉仕」団体ではありません。空撮業務もちゃんとお金をいただくように頑張って居ます。)
「そんなに掛かるんだったら自分でやるわ」
と言われないよう、操縦技術を日々磨いて居るつもり。まだつもりでしかないですが。
そこにはTinyWhoopの操縦があり、毎度コース周回したりレースしたり。
もちろんメンバーになる前に空撮していたり、農業用ドローン飛ばしてたりって人もいますが、楽しいのでFPVパイロットも目指して毎日頑張って居ます。
で、ごっちゃごっちゃに書いてしまって居ますが…
FPVこそがドローン操縦の前提であるならば、最初のとっつきも、スクールも、FPVを教えるところから始めるべきなんじゃないかと思うんですよ。
ですが実態はどうでしょう。数多のドローン協会で「FPVはドローン操縦の大前提」とうたっているところは、無いみたいなんです。ドローンスクールでFPVから教えるところもなさげ。
ここまで操縦のことばかり書いてきましたけど、FPVドローンて、組み上げるのにマシンの技術も知識も必要ですし、それが効率悪くとも徐々に身についてくる。バインドの仕方すらわからなかった初心者メンバーも、今では自分でぶっ壊れたマシンを自分でメンテしてまた飛ばしている。Betaflightに偏りがちですけど、iNavを極めようとしたり、フレーム造形などゼロから作ろうとしたりする人もいる。
スクーリングが確立されれば、そういった色々も、より効率よく身につけられるのではないかと。
そこで「日本FPVドローン協会」
目標は、
- FPVがドローン操縦に必要不可欠であることの啓蒙
- FPVドローンパイロットの技術向上
- FPVパイロット人口を増やす
- FPVドローンによるソリューションの提案
- FPVドローンの開発
など?
どなたか代表となって、とりまとめていただけたらとw
(私じゃないんかいw)
私は石川県支部でw
FPVドローンの第一人者で、レース、フリースタイルに精通した人が良いですよね。
国会議員とか総理大臣に意見できるよう、そっち方面在住者?
できもしない人が利権狙いで代表務めるのだけは、私は嫌。
目標のために、馬車馬のごとく動いてくれる人じゃないと、ね。
全国各地のFPVドローンがメインの団体、代表の方もお力添えいただいて。
人数さえ集まれば、今のFPVドローンを無視した各種法律関係も改善できるものと信じて居ます。
ぜひ組織化にむけて、動いてみませんか?
※すいません、なんか文字だけの記事になってしまいました。