気になる! Radiomaster Zorroまもなく発売開始!
2022年1月25日発表からはやひと月以上経過。ようやく発売の目処がたったようで、Zorroのプレオーダーが本家サイトで始まっています。ほぼ同時期に発表されたJumper T-Proと競合するであろうZorro。
私、Radiomasterとは立ち上がった時(といってもそんな大昔ではないw)からやりとりはしておりまして、技適とって欲しいだの、TX12のMAX版も考えてだの、要望だけお願いしてばかりで今日に至ってますが、この度めでたく(?)向こうから紹介するよう命ぜられましたので、Radiomaster Zorroの魅力をサクッと紹介したいと思います。
ここにきてニーズが爆上がりしている、いわゆるゲームコントローラー型コンパクトタイプな送信機。調整機能もあるホールセンサージンバルや、競合品よりも一回り大きいLCD液晶、世界で最も愛されている送信機オペレーションシステムOPEN-TX採用、その他痒い所に手が届くギミック満載の、魅力的なモデルだったりします。
もちろんEDGE-TXにも書き換え可能です。オープンソースバンザイ。
5つのラインナップ
本家Radiomasterでは、Zorroのラインナップは5つ。OPEN-TXを採用している送信機は内部RFと外部RFをサポートしていまして、Zorroももちろんそう。で、3種類の内部RFバージョンを用意。さらに「おまけ」がついたバージョンが2種類の、計5種類。
CC2500バージョン
Zorroシリーズにおいて最も安いバージョン。内部モジュールにCC2500のみ搭載しております。
CC2500が対応しているプロトコルのみ運用選択できます。代表的なプロトコルとして、
Futaba S-FHSS
FRSKY
があります。概ねのFPVドローン、TinyWhoopやToothpick(BNFなどの完成機)では必ずと言って良いほどFRSKY(D8、D16)は用意されていますから、CC2500バージョンで十分かと思います。
4-in-1バージョン
Radiomasterが日本でも大人気なのは、この4-in-1モジュールが搭載されているからとも言えます。先にあげたS-FHSS、FRSKYはもちろんのこと、FLYSKY、DSMXなどこれまた世界でメジャーなプロトコルでの運用も可能になります。初心者向けブラシモーターWhoopによく採用されていたBayangプロトコル、E010、MJX、SYMAXなど一部トイドローンの運用も可能になります。
ELRSバージョン
いわゆるロングレンジ。もうRX Lossで墜落とはおさらばできることから今、破竹の勢いで普及している新しい通信方式です。昨今発売されるBNFモデルにもあらかじめELRSレシーバーを搭載したものが増えており、TinyWhoopにおいてはFCオンボードタイプのものも登場しています。運用の際あらかじめ定義したパスワードにて紐付けするので、セキュリティ面でも信頼性が高いプロトコルでしょうか。
ERES Starter Set
ELRSバージョンに同レシーバーが付属します。
2 x EP1 Full range 2.4GHz ELRS Receivers with T antenna
1 x EP2 Compact 2.4ghz Receiver with built-in antenna
CC2500 + TBS Nano Crossfire Combo
CC2500バージョンにTBS Nano Crossfire対応外付けモジュールが付属します。
分解不要でモード切り替えなどの調整が可能
競合するJumper T-Proは、現時点ではモード2のみの販売。モード1にしたければ蓋をあけ、ジンバルのバネ類を左右入れ替える必要があります。工程としてはさほど大変ではないのですが、そういうのにうるさい人もいますからモード1の人は指を咥えて眺めていなければなりません。
Zorroはジンバルの調整を本体裏側からドライバー一本でアクセスできるよう設計されています。ゆるみ調整はもちろんのこと、モード1への切り替えも分解することなく行えます。
さらにジンバルのスティック可動域(上下方向のみ)も分解することなく調整が可能です。
よりユーザー好みのスティックフィーリングに持っていけそうですね。
外部モジュールベイを装備
CrossfireやELRSなどの対応外部モジュールが搭載できます。OPEN-TXでExternal RFで指定すれば使えます。簡単♪
TX16Sなどに付けられる外部モジュールは、いわゆるJRモジュールっていうんでしたっけ?最近はそっちよりもCrossfireやELRSで採用されている細長い方の外部モジュールの方が新たに市場投入されるようになってきている気がします。登場したのはFRSKY Taranis X-Liteあたりからかなと記憶しています。当時はJRモジュールをX-Liteに取り付けるために別途モジュラーコンバーターを作ったりしたもんですが、今は立場が逆になってきていますね。
注意!使用バッテリーは18350
Zorroには別途18350バッテリーが必要です。私の感覚では多くの送信機に使用するバッテリーサイズが18650でしたので、ちょっとそこは間違えてしまいやすいかなと。
もちろん一度セットしてしまえば、送信機本体に充電機能を装備していますから、いちいち取り出して18350対応充電器で充電するといった手間は不要です。
充電用ポートはUSB-C。現時点ではQCに対応しているのかとかは不明です。
さらにちょっとありがたい(?)機能として、2Sリポバッテリーのバランスソケットを用意。万が一内部電源が終わりそうになったとしても、手持ちの2Sバッテリー、たとえばTX16Sで使っていたものなどを外部電源として装備させて使うことも可能です。
本体下部にある2組のストラップ穴にバッテリーストラップ等を通して外部電源を固定できるようになっています。
見やすい大型LCDディスプレー採用
コンパクトタイプな送信機でまず犠牲となっていたのはLCDディスプレーでした。年寄りにあの文字の小ささはかなり厳しく、モデルデータ切り替えや設定変更の際、老眼鏡を装備するところから始まるのはいつも億劫に感じて居ました。Zorroはそのあたりにも気をつかっていただけたのか、割と大きめなLCDディスプレーを搭載。
デザイン的にLCDが突き出た形になってしまったワケですが、そこも微妙にうまく利用して、アンテナをLCDパネル背面に格納できるようになっています。内部モジュールで運用する際はアンテナを立てて使い、外部モジュールで運用する際はアンテナを格納し、すっきりした形にもっていけます。
さらなる拡張を可能にするアタッチメントポイントあり
私がZorroの形状を見て真っ先に感じたのは、これ、ピンチャーには持ちにくいかもしれないというところ。
つまみ持ち、ハイブリッド持ちはスティックを親指と人差し指で操作します。本体をホールドするのに中指の付け根が本体側面に当たって居ないとうまく固定できない感じがあるんです。
Zorroは本体の側面がうちに向かって萎んでいるので、中指の付け根が当たらない可能性があります(実際に持って居ないのでまだ確証はありませんが)。
同様のケースとして、Jumper T-Liteのアタッチメントを羊風堂と共同開発しました。これがなかなかによろしくて、販売された際も好評いただいております。
今後、どうしてもピンチ持ちがしたい人向けに、アタッチメントポイントを利用して「何か」が登場するかも知れません。期待したいところです。
T8(技適が無いため日本未発売)に採用されていた背面の格納レバー。中指もしくは薬指を引っ掛けることでホールド感が増すみたいで、良さげに思って居ましたが、Zorroにはそれがありませんので、アタッチメントポイントを活用して後付けすることも考えられそうです。
また、現時点で本体のホールド感を増すために取り付けられているグリップも、今後はオプション品として登場するかも知れないことが、サイトに示唆されています。
デフォルトは合成ゴム製ですが、オプションとしてレーザー製が用意される予定のようです。
操作性と耐久性も期待したい各種スイッチ類
Jumper T-Proは、あまりにも某DJI FPVコントローラーを意識してしまったがために、肩のスイッチがボタンとなっています。これ、OPEN-TXにてロジカルスイッチを設定することで、不意にボタンを押しても大丈夫なようにしていますが、正直慣れないんですよ。咄嗟のDisArmが発動できないというか。そこはやっぱりスイッチが良かったと思ってしまいます。
また、T-Proのローラースイッチはプラスチック製。安く仕上げるための苦渋の決断だったと思いますが、使用頻度が高いパーツは、少しでも頑丈な方が嬉しいですよね。Zorroのローラースイッチは金属製。耐久性に大いに期待が持てます。
上面に各種インターフェイスを装備
業界標準になって欲しい当たり前なことなのですが。ZorroはUSB-C、SDカード、トレーナーポートなどを上面に用意。ゲームコントローラー型なので、シミュレーターゲームにも使いたいワケですが、USBケーブルが邪魔にならぬよう、上面にもUSB-Cポートがあります。これ、ブランドによっては横にあったり、下にあったりして。下からケーブルが生えているのはケーブルの長さがより必要になりますし、邪魔。横についてるヤツなんて、操作の邪魔でしかない。DJI Mavicシリーズ開発した人、そのへんわかってんでしょうかねw
専用ポーチは別売り
多分箱に入って売られているであろうZorro。ものがものだけにさほど嵩張らないとは思いますが、よりコンパクトに持ち運びたいと考える人も少なく無いはず。RadiomasterではZorro専用キャリーケースも用意されています。
是非一緒に購入しておきたいところですよね。
Radiomasterの出荷開始は1月末頃よりとアナウンスされています。多分春節に絡んでしまうはずなので、実質として2月初頭〜半ばと考えている方がよさげです。
ここまで紹介しておいてアレですが…
Zorro、なにげに魅力的ですよね!
ですが、実は現時点でZorroの日本電波認証の予定は無いそうです。RadiomasterはTX16シリーズ、TX12シリーズには技適がついていますが、それ以後に出たT8から技適取得はされていないそうなんです。
日本という市場があまりにも小さい上に、FUTABAというブランドと大きく水をあけてのシェアだったからでしょうか。羽咋ドローンズのRadiomasterオーナー率はかなり高いんですけどね!
ELRS登場でFUTABAからRadiomasterへと鞍替えする方もどんどん増えているそうですが、それでもまだまだ。
もちろんRadiomasterにはZorroの技適取得を再検討いただくようお願いして居ますが、私がRadiomasterの製品をどれくらい売り付けているかなんて数字で表したところで、知れてますしそれで動いてくれるとは思えないし><
それでもね、選択肢は多い方が嬉しいと思いますし諦めませんよ私は!w
日本での運用
合法運用、したいですよね!私はしたいw
で、今のところ一つだけその方法がありますから、軽く紹介しておこうと思います。
わかってる人には「なんだそんなことか」な話ですけど、それでも、ね。
運用するプロトコルをELRS一択に
といっても、ZorroのELRSバージョンのことではありません。
そう、お気づきの方もいるかと思いますが、BETAFPVのELRS Nano TX Moduleを外部レシーバーとして運用する作戦。
これを搭載してOPEN-TXでこちらのみ使用するよう設定すれば、BETAFPV ELRS Nano TX Module 2.4GHz版は電波認証を受けているので合法使用することが可能となります(915MHzや868MHzはダメぜったい)。
運用できるドローンがELRSレシーバー採用モデルのみとなってしまいますが、TinyWhoop系にせよToothpick系にせよ、ELRSバージョンは続々登場していますし、既存のモデルにもレシーバーを交換することで再運用できますから、さほどの問題では無いかと思います。
いっそ内部モジュールを抜き取ってただのコントローラーに
電波機器の分解は違法だそうですが、電波を発しなくすればもうそれはただのコントローラー。シミュレーター専用機として使うのも一興かと思います。
※分解の際は自己責任ってやつで
もちろん、今後他にもNanoモジュールで技適がついたものが出れば、それを搭載して運用すれば良いわけですもんね。
かつてはJRモジュール版のJumperにJP4in1というものがありまして、それは技適が通ってました。Zorroの4-in-1バージョン同様にマルチプロトコルなモジュールでして、OPEN-TX採用送信機であれば、それがたとえ技適ついていなくても、運用を外付けJRモジュールであるJP4in1で行うことで合法運用できていました。他のメーカーからは、同じ機構のNanoモジュールタイプのものも出て居たのですが、そちらには技適が無いので、わざわざJRモジュールをNanoモジュール化するためのアダプターを自作するなりして運用していた次第です。これが嵩張るったらありゃしないw
かつてはアングラなところで培われた国内でのマルチプロトコル運用も、彼らのおかげで今こうしてある程度の市民権を得てはいますが、まだまだそれが報われて居ない。どうしても腹に一物残っちゃってます。なんとかしたいんですけどね。私には無理かもw
どこかお金持ちな方がRdiomasterに出資して、出す製品全部ちゃんと技適取得させるよう働きかけて欲しいところですね。私が大金持ちになれば絶対やりますけどね!ウチ、貧乏なので><w
1/26 追記です
本日お昼過ぎ、某事業者より「Radiomasterのロゴをつかわないように」との脅迫がありました。記事に使われた写真などの削除要請とともに。
その旨はRadiomasterマーケット担当者に伝え、結果この記事はなんの問題もないことを確認することができました。
この度は皆さんにご心配をおかけして、本当にごめんなさい。そして、励ましのお言葉、沁みましたありがとうございました。明日からも元気に生きていけそうです。
春節目前だというのに本家Radiomasterも色々尽くしていただきました。記事についても、そのまま公開を維持して良いと言っていただけました(他ブランドの事もネタに入れているにもかかわらず!)。
ただ、一つだけ”Update”を要求されましたので、「そのまま」をコピペさせていただきます。
Only one thing that you can update, we might apply the JP certification after CNY.
!!!!
マジスカ!マジナンデスカ!!
「CNY」はおわかりでしょうけど、中国の正月、春節のことです。
ごめんなさい私、コーフンしております!
RadiomasterはTX16Sシリーズ、TX12シリーズは電波認証済みですが、そのあとに発売されたT8シリーズには技適マークは無く、電波認証をうけぬままとなっていましたので、「ああ、日本のファンは見放されたのかな…」なんて思ってました。ですから、Zorroも当然電波認証をうけるつもりではなく、と。
春節があけたら、日本のファン向けに何か発表があるかもしれませんね。
情報が入り次第またポストさせていただこうと思います。