BETAFPVでExpressLRSを始めよう!関連アイテム ドバッとレビュー
2022年2月10日この度、BETAFPV ELRS Nano TX Moduleが技適を取得しました。ってか取得したことが確認できるようになりました。とでも言った方が良いでしょうか。
これにより、市場に出回っているELRS 2.4GHz対応レシーバー製品でのドローン運用が、国内でも可能になりました。ありがとうBETAFPV!ありがとう今回の一件で尽力くださった関係各位の皆さん!本当にありがとう!
ExpressLRSって何よ?
簡単に言えば、BayangとかFRSKYとか、プロトコルの一種。「TBSクロスファイヤーの2.4GHz版みたいなもの」という言い方も、私的には結構しっくり来ていました。
ExpressLRSは、低遅延でそのレートで達成可能な最大範囲を維持しながら、最高の完全にオープンで高リフレッシュの無線制御リンクを提供することを目的としています。 900Mhzと2.4GHzの両方の周波数でのハードウェアの広範なサポート。
ExpressLRSサイトよりGoogle翻訳
※現在ExpressLRSはVer2.0となっています。が、BETAFPV製品はまだVer1.0をベースに販売されていますので、この記事ではVer1.0を主体に紹介することにします。Ver2.0へのアップデート方法がまとまりましたら、また改めて紹介したいと考えています。
ExpressLRS、ELRSと略されるこの新しいプロトコルの魅力は、
- 低遅延であること
- リモート距離が長いこと
- オープンソースであること
が魅力でしょうか。私はFrsky-D8、Frsky-D16での運用がメインでした。屋内がメインなものはD8を、屋外ではD16をって考え。Toothpickは屋外でもSPI オンボードレシーバーだったりするので、泣く泣くD8を使っていたり、FRSKY XM+を改めて取り付けて、D16運用していたり。
今回紹介するELRSはどれもオンボード(外付けELRS レシーバーについては、また追々ということで><)。オンボードでありながらXM+運用同等か、それ以上のリモートを体感できました!
これがなければ始まらない!ELRS Nano TX Moduleを入手しよう!
気をつけて頂きたいのは、今回日本の電波認証が得られたのは「ELRS 2.4G」版のみ。当然運用も2.4Gで行います。
色々心配な方は、国内ショップでもBETAFPV正規代理店は沢山あるので、ぜひそちらでも購入を検討くださいな。
対応する送信機に注意!
モジュールだけあっても意味がありません。ELRS Nano TX Moduleが取り付けられる送信機(プロポ)が必要です。条件は、
- OPEN-TX、Edge-TXのいずれか
- Nanoモジュール対応(DJTモジュールアダプターが別途あります)
ということで、OPEN-TXじゃないFUTABA送信機はここで消えます(上位モデルで可能となっているそうなので、ご興味のある方は私にではなく、FUTABA信者の方々にご相談ください)。DeviationなJumper T8SGもここで消えます。消えて頂きますw
私のおすすめはやっぱりRadiomaster TX16S
技適ついてます。メーカー直販でも、国内ラジコンショップでも入手できますので、これを機会にぜひ。
羽咋ドローンズメンバーのTX16S率は異常w
TX16Sは背面にDJTモジュールが装着できます。逆に言うと、Nanoモジュールはそのままでは装着できません。よって、次のアイテムが必要になります。
Thingiversなどに同様なアダプターのSTLデータも公開されているそうなので、自作されるのも一興かと思います。千円ちょっと。私は買う事を選びましたけれどもw
印刷ミスったりのリスク、配線工事必要だったりを秤にかけたら、買ってしまったほうが良いと思いました。
ELRS Nano TX Moduleを使えるようにセットアップする
ExpressLRSサイトの「Download Configurator」をクリックしてジャンプした先にある、アプリ「ExpressLRS Configurator」をインストールします。
この記事執筆時点でのLatestバージョンは1.3.6。旧来のELRS Ver.1.0から最新ELRS Ver.2.2をサポートしていると思います。
Win版、Mac版、Linux版があります。
「Which file do I need?」と「Assets」とをしっかり確認して、該当するインストーラーをDLください。
※Mac版は、例によって初回起動時にやらなきゃいけない事があるので、サイトでその方法を確認ください。Linux版については、私まったくわかりませんのでごめんなさいですw
無事にインストールとか出来たとして起動して出る画面がコレ。運用にはネットに繋がっている必要があるみたいです。
Firmware version
「Releases」で、運用するELRSのバージョンを選びます。最新はVer.2.2.0なのですが、BETAFPVの新MeteorシリーズやHX115LRなど、ELRSなモデルはVer.1.0に合わせてファームウェアが入っちゃっており、Ver.2.0にはまだ対応できていません。Ver.2.xとVer.1.xには、悲しくも互換性が乏しいみたいなんです。私は一度、ELRS Nano TX ModuleにはVer.2.2.0を、ドローンはVer.1.2.1(Ver.1.xのファイナルバージョンだと思います)にて、運用を試みましたがうまくいきませんでした。
よって、
当面の運用はELRS Ver.1.2.1とします。
…不本意だw
Target
「Target」では、ファームウェアを導入するデバイスのカテゴリと、デバイスそのものを指定します。
「Device category」をクリックするとプルダウンメニューが出ますので、その中から該当するカテゴリを選びます。
「BETAFPV 2.4GHz」を選びましょう。
Device categoryをBETAFPV 2.4GHzに選択すれば、Deviceが選択できるようになります。
「BETAFPV 2400 TX Nano」を選択します。
次に「Flashing Method」を指定します。「UART」とは、デバイスBETAFPV ELRS Nano TX ModuleをUSB-Cケーブルを使ってPCに接続し、ファームウェアを書き込む方法。「WIFI」とは、PCのwi-fi接続先をBETAFPV ELRS Nano TX Moduleにし、Wi-Fi無線でファームウェアを書き込む方法です。
そりゃ無線でやった方が手っ取り早くて良さげなんですが、ここで落とし穴。
BETAFPV ELRS Nano TX Moduleの技適は、Wi-Fiでは取得されていないらしい
よって、面倒でもUARTをチョイスし、本体をPCにUSB-Cケーブル接続して、ファームウェアアップデートを行なってください。
なお、FCC取得なWi-Fi機器ですので、届出する事で半年期限で使える制度もあるみたいです。
「Download LUA Script」をクリックして、LUA ScriptをDLします。
私も「LUA Scriptとはなんじゃらほい」なんですがw
OPEN-TXの外部スクリプトでして、TX16Sなど送信機にて、ExpressLRSの各種設定や、バインド行為を行うためのもの、と思います。
DLされたLUA Scriptは「elrs.lua」というファイル。あとでこのファイルを、使用する送信機のSDカード(内部ストレージで運用している人は、内部ストレージ)内にある、「SCRIPTS」フォルダ内の「TOOLS」フォルダにコピーします。
Device Options
変に弄ってなければ、デフォルトでよさそうなのですが、一つだけ「これは絶対」な設定項目があるので、そこだけでも注意して設定してください。
「Binding phrase setup」では、「バインドの際の秘密のキーワード」を指定できます。英数字OK。このチェックを外してもバインドは全然可能なのですが、他のやはりBinding phraseを指定せず運用している人と混線してしまうそうです。また、セキュリティ面で考えれば、フレーズを知っている悪意ある人が悪戯に乗っ取る事も不可能ではなさそうなので、
Binding phraseは必ず設定しておくこと
としましょう。そして他言無用。
複数のELRSプロポを使いたい人は、それぞれのプロポのBinding Phraseを揃えれば取っ替え引っ替え運用もできますね。
Actions
設定が一通り終えたら、いよいよ実際にELRS Nano TX Moduleへとファームウェアを書き込みます。
モジュール本体がちゃんとPCに接続されているか確認し、「BUILD & FLASH」をクリックします。
ファームウェア書き込み中
結構時間かかる時がありました。
10分くらい?
ネット回線の速さやPCの性能などでかかる時間が異なるのかも知れません。気長に待ちましょう。
ファームウェアの書き込みに成功すると、
ありがたいことに失敗したことがないので、これがもし失敗した際は、何が原因なのか、私にはちょっとまだわかりません。いくつか失敗事例も見掛けてはいますが、何をどうしてその失敗を解決したのかがわかると良いのですが。
はい!これでBETAFPV ELRS Nano TX Moduleは無事、私専用(バインディングフレーズ付き)ELRS Ver 1.2.1になりました!
Radiomaster TX16Sへの取り付け
物理的な取り付けは至って簡単。
パチンってハメて、
パチンってハメたらオッケーw
OPEN-TXでELRS Nano TX Moduleを設定する
OPEN-TXバージョンの確認
お使いの送信機のOPEN-TXのバージョンを確認しましょう。ちなみに私はOPEN-TX TX16S Ver.2.3.14。
こっちのバージョンアップ方法まで解説していたら日が暮れてしまいますので、Google先生にお任せするとして割愛します。また、何をどう押せばこの画面が出てくるのかも割愛。
これだけ普及したTX16Sなので、「はじめてのOPEN-TX Radiomaster TX16S 完全マスター」とかそういう厚い本が出ることを願っています。
HARDWARE項目のADC Filterをオフにする
ONになっていればOFFにしておくことをおすすめします。
先程、Download LUA Scriptにてダウンロードした「elrs.lua」はもうSDカードにコピー済ませましたか?
済ませてあれば、OPEN-TXのTOOLSにて、選択できるツールに「ELRS」があるはずです。
ELRSを選んでEnterします。
実はExpressLRSの設定、どうするのがベストなのか私にはわかりません。
- Pkt.Rate(パケットレート)を150Hz
- TLM Ratio(トリムレイティオ)を1:32
- Power(出力)を100mW
- RF Freq(周波数)を2.4G
とりあえず的にこんな設定にしています。
いまのところこれといった不具合はありません。通信距離を爆稼ぎしたくなったらPowerを上げたりするのでしょうね。
新たにELRSで運用するモデルデータをつくる
ゼロからウィザードなどを活用してつくるのもアリでしょうけど、私は既存のFrsky-D16で使っていたものをDuplicate(複製)して、Model nameをとりあえずELRSにして、それを変更してELRS用モデルデータにしようと考えました。
Internal RFをオフにして、External RFをCRSF(クロスファイアー)と指定。そんだけです。
いよいよ準備オッケー!あとは機体の購入w
BETAFPVのELRS対応ドローン、既に結構でています。まずは紹介させてください。
全国のTinyWhoopソリューションはこのモデル推奨でしょう。従来モデルとの違いは、単にSPI ELRSになっただけじゃあございませんでして、プロペラサイズが31mmから35mmになりました。パステルグリーンのフレームも、従来のMeteor65とは異なりますので注意してください。
1S 75mm WhoopといえばMeteor75。ELRS版だけモーターサイズ、VTx、プロペラが仕様変更されています。HATABAで飛ばすならコレ推奨。なにせ5分くらいは飛んでくれるので、良い練習にもなります。ブーストかけまくりな飛びを行なっても3分は超えますね。
お外で遊びたいならコレ!発売からだいぶ経っていて、VTxとかちょっと最新(M03ではなくM02)じゃないのが惜しいんですが、是非カスタマイズしてでも飛ばしてみてほしい1台です。
とっても静か。
いずれもU100ですので、機体登録などおかしな制度の影響はうけません。ありがてぇ!w
設定はBetaflight Configurator10.8で!
SPI ELRSレシーバーがオンボードなモデルのセッティングには、Betaflight Configurator 10.8が必要になっています。いずれもFCのファームウェアがBetaflight4.3(RC1)みたいなんですよ。
BF4.3のセッティングにはBFC10.7だとどうやらダメらしく、まだ正式公開バージョンではない、BFC10.8を導入しなければなりません。
…不本意だ(2回目?w)
Betaflight Configurator 10.8の入手
この記事執筆時点での最新バージョンはBetaflight Configurator 10.8 RC3。
RC1やRC2といったPre-releaseバージョンは、不安定要素含みながらもRCの数字が上の方がマシ、といった考えな私です。何かしらのバグフィックスが繰り返し行われていますから。
もしもこの記事に辿り着いた時にRC4とか、正式版が公開されていたら、そちらを是非導入してください。とりあえずRC3にして数回使用しています。バインドとか設定変更とか、色々やっていますが今のところ特に不具合に出会していません。
Assetsから該当するインストーラーをダウンロードしてください。そしてインストールしてください。
Mac版な方は先に「Important information when upgrading」を翻訳かけてでもちゃんと読んで、実行してくださいね。
Betaflight Configurator 10.8の解説等は割愛します。色々インターフェイスが変更になったりしていて、混乱しそうになったり、ありがたくなったり。
先に紹介した3モデル、搭載されているFCが「BETAFPVF4SX1280」という型番でBFCに認識されています。このFC、既にELRS Ver.1.0が導入されているらしく、
ELRS Nano TX ModuleにELRS Ver.1.2.1が導入されていれば、あとは「受信機のバインド」を実行するだけでバインドOKとなる
ことがわかりました。
実は最初、ELRS Nano TX ModuleにBind Phraseを定義してありますから、それをBFCのCLIコマンドにて、ファームウェア内にメモリしなければならないものだとばっかり思っていまして。
受信機のバインドを実行すれば、Bind PhraseやVer.1.0から1.2.1の差分リソースも含めて「紐付け」される、という事なのかも知れません。内部的なところは確信もてていませんが、結果として今普通に運用できているからオッケーってことでご容赦くださいw
BFCでの各タブ項目の設定は、従来にならって行なってくださいね。
私で言えば、
基本設定でDShotビーコンをONに
ブザーが付いていないモデルですけど、FCの音が鳴るだけでもちょこっと探す手掛かりになります。
モードでスイッチと動作の関係をちょこっといじくる。
SHでブザー、SGでFlip Over After Crush
VTX設定でチャンネル合わせ
私はE1が多いかなと。
OSDはお好み配置に
照準線邪魔w
なるべく文字とかで画面埋めたくない派。
(好みの問題です!)
バックアップ
diff allとdump all、それぞれ保存しておいても損は無いかと。
ということで、「受信機のバインド」をクリック!
受信機タブ表示時の、ウィンドウ画面右下のところにあります。
「受信機のバインド」をクリックしたら、ドローン本体は「バインド待ち状態」になります。
TX16S送信機を手に取り、起動し、SYSボタンを押してTOOLS画面を出し、ELRSを選択してEnter。
[Bind]を選んでEnter。はい、バインド成功!
AUX11とAUX12がぐいっとMAXな状態に。そんでレバーやスイッチが呼応してくれているはずです。
…はずです!w
初回だけかもしれませんが、バインド成立するまでに10秒ほど待たされる事がありました。
また、実際の運用時でのリブートのあとでも、10秒ほど待たされる事があります。
例えば、OSD見ながらSmartaudio使ってVTXチャンネルを変更して「SET」をした時とか。
あまり気にしなくても良いかと思います。再起動から再接続までに時間がかかる場合がある。そういう事なんだと思います。
そこ、イライラしない!w
実際に運用してみて
一言でいえば、「快適」ですw
私の飛行範囲なんて、如何せんドローンがこの下手くそな操縦で緊急着陸した際に、自分で取りに行けるかが基準なので、「4km先まで飛ばしてみた」とかやる人にとっては、まったく参考にならないお話かもしれませんけど。
オンボードSPIレシーバーでありながら、数百メートル離れていても瞬間RSSI値が50台なのを確認したくらい。ふむ。XM+より良さげ。
で、所詮は2.4GHzなのは留意しておきたいところ。丘の陰に機体が回り込んだ際に、一瞬でしたけど一気に瞬間RSSI値の激減を確認しています。飛ばすならやっぱりなるべく見通しの良い範囲で飛ばすべきでしょうね。
ExpressLRSのことではありませんが、Meteor65 Pro、Meteor75 ELRS、XT115LRともVTx出力が350mWまで出せるようになりました。
屋内などで350mWで運用していると、他の方のチャンネルに干渉する可能性がありますから、そこは気を付けておいた方が良いかと思います。
YouTube
相変わらずグダグダと長めなサクッとレビュー。
巷は10分以上とか、長い人だと30分とか2時間とかになり出していて、観る方もしんどいかと思いますw
まあ、私の希望としては、どうせグダグダなんですし、垂れ流すようにご覧いただいたり、早送りしたり、飛ばしたりしていただけたらと。んで、何度も繰り返し観ていただけたらと。